闘技場の思考

マイエヴ 解説

・前書き


 マイエヴは、hsreplay上で上から7番目に強力なヒーローであり*1、個人的にはプレイングを洗練させればトップ3に入りうるヒーローだと思います。マイエヴはその独特なヒーローパワーにより序盤の動き方が複雑なので、特に序盤について解説していきたいと思います。

 

・ヒーローパワーの効果の確認

 封印

 

・マイエヴの強み


 とにかく安定してトリプルを作ることができ、ヒーローパワーの休眠によりトリプルのタイミングをコントロールして高グレード発見ができ、グレード先行もしやすいです。

その分序盤に体力を失いやすく、体力が少ない時は注意が必要です。

 

・序盤の動き


☆1ミニオンの評価


 まずは、マイエヴにとって強力なミニオンを解説します。

 もちろん状況によって評価は変動しますが、雑に評価するとなると、
Aランク:実質的にコインを沸かし、トリプルが強力、もしくは戦闘で非常に強い
タイドハンター=ウレメンタル>野良猫=甲板磨き=マイクロマミー>入れ替え異常体
(今後、タイドハンター、ウレメンタル、野良猫のことをまとめてトークン系と呼ぶことにします)
Bランク:トリプルが強力、もしくは戦闘能力が高くてシナジーがある
クトゥーンの侍祭>ロックプール
Cランク:戦闘能力の高さ及び微かなシナジー
チビドラ=ドラゴンスポーン>織屋=ホムンクルス>その他のミニオン
という感じになります。
 タイドハンターやウレメンタルは戦闘能力的にも強力でかつ実質的にコインを稼いでいるので最も強力なミニオンです。
 野良猫は戦闘能力では若干劣ってしまいますが、コインを稼いでいるので強力です。また、トークン系は6ターン目の呪文であるストームウィンド(全体+1+1)との噛み合いも含めて非常に強力です。
 甲板磨きは、グレードのコストしか下げられないため汎用性で劣りますが、トリプルが非常に強力です。実質的にリロールとグレ上げコスト下げどちらの意味合いでも使えることが多いです。戦闘に負けないことが確定している場合は手札に持っておくという選択肢も検討する必要があります。
 入れ替え異常体は、リロールにしか使えないため若干価値が低いですが、序盤のリロールもトリプルの可能性を高められるため有用です。こちらも甲板磨きと同じく、戦闘に負けないなら手札に持っておくことも考えられます。
 マイクロマミーは、コインは沸かしませんが、序盤の戦闘において強力であり、トリプルの能力も強く、モジュールをつければ一生ものにできる可能性もあり、強力です。
 ロックプールハンターは、単純に序盤の戦闘能力が高く、タイドハンターを取れている場合にはかなり有力な選択肢となります。

 織屋については、マイエヴで悪魔構成にあまり行きたくないので優先度が下がります。織屋編成はできれば毎試合勝ちたいのですが、トリプルを作りそのアドバンテージでガンガングレードを上げていきたいマイエヴとは相性が悪いです。
 クトゥーンの侍祭は、単純に戦闘能力が高めなのと、挑発蘇りで中盤まで腐りづらく、マイエヴのヒロパの攻撃+1も有効に働きやすく、グレード3の帝国の腕やグレード4のキラジの先遣者との相性が非常に良いので、コインを沸かさないミニオンの中ではかなり強力です。
 チビドラ、スポーンについては、ドラゴンという種族はカレクゴスの受け入れにはなるのですが、逆にそれ以外の意味を持たないので優先度が低めです。ただ、最初の酒場にドラゴンが3体ならんでいるような状態では、戦闘能力も悪くはないので割と強力です。

 

3コイン目


 ☆1ミニオンの評価が終わったところで、ターンごとの解説に入っていきます。
 3コイン目〜5or6コイン目まではグレード1のミニオンを取っていくことになりますが、グレード1で目指すのは強力なミニオンのトリプルの獲得です。
3コイン目の動きは4パターンあります。
トークン系ミニオンを買い、トークン売り、ヒーローパワー(+凍結)
②(初手の酒場のAランク以上にヒロパ+)2リロールして、理想的にはAランクのミニオンにヒロパを打つことを目指し、さらにいいミニオンが来たら凍結
③1体買って凍結
④いらないミニオンを1体買って売って
ヒロパ+凍結

 ①の動きは、トークン系ミニオンが最初の酒場にいた場合は、9割このプレイを選択します。このプレイは、実質的に初ターンに2体ミニオンを買っているようなものであり、テンポ的にかなり強力なプレイです。しかし、トークン系ミニオンの横のミニオンが著しく弱く、ペアにもならない場合(cランクのその他以下のミニオン)、トークンにヒロパ売ってリロールすることも考えられますが、概ねトークン売りヒロパを選択した方が無難でしょう。
 ②の動きは、2回リロールすることによって強力なミニオンにヒロパを打つことができ、4コイン目の酒場のために凍結することもでき、強力な動きです。ヒロパを打たずに1体買うプレイと比較した場合、失うものは3コイン目と4コイン目の体力ですが、それを差し置いても良質なミニオンを入手でき、ダブルを探すことができるのは非常に大きなメリットと考えています。
 ③の動きと④の動きを取る場面は限定的です。一つは、マイクロマミーが酒場に2体いた場合に③を選択します。マイクロマミーの場合はヒロパを打ってしまうとマイクロマミーの効果を上手く活かせない上に、マイクロマミーのダブルは強力なため取りたいからです。また、酒場に三体とりたいミニオンがいてかつトークンではない場合(甲板磨き*3,織屋+ホムンクルス*2,マイクロマミー+甲板*2,ちびドラ*2+スポーンなど)もこの選択肢を取ります。
 他には、酒場にbランク以上のミニオンのペアが並んでいて、もう1体がcランク以下のミニオンである場合に、③と④の選択肢の両方が考えられます。④のメリットとしては、酒場が1枠空くのでいいミニオンが出てくる可能性が高まります(+一応攻撃力が+1されます)。③のメリットは、3コイン目4コイン目の戦闘に勝てる可能性が高まることが挙げられます。どちらを選ぶかは諸説ありますが、対戦相手がリッチキングやアラキア、ミルハウス、AFKなどの場合は④の有用性が高まりそうです。
 また、酒場に甲板磨きor入れ替え異常体+取りたいミニオン2体が並んでいる場合も、④の選択肢が考えられます。(甲板or入れ替え異常体+ロックプール*2など)

 

4コイン目

 

 4コイン目は、1ピック1ヒロパで終わります。ペアがいればペアを重視し、そうでなければ強い順に取ります。トリプルがしにくくなるのでグレード上げはしない方がよいです。

 

5コイン目

 

 このターンでは、多くの場合1リロールとヒロパ+1ピックorグレード上げという動きになります。最初の酒場では、3コイン目と4コイン目でとったミニオンのペアorトリプルがあれば休眠させます。

 5コイン目からは、単にランクの高いミニオンよりも、ランクが低くてもダブルやトリプルになるミニオンを優先していきます。ペアにならない状態のウレメンタルなどは価値が低く、ヒロパを打つことはありません。初手の酒場のヒロパは基本的にペアになるミニオンにしか打つことはないです。

 最初の酒場に同じミニオンが2体いて、すでにそのミニオンを持っている場合は、片方を取って片方休眠させるか、グレ上げ休眠凍結からの次のターンもグレ上げ休眠という大きく分けて2択の動きがあります。前者の方が体力が安定しやすいですが、後者の方が爆発力があります。前者のムーブは、6コイン目の段階でグレ上げ+ヒロパに7コインかかるため、トークン系が取れている場合でなければあまり綺麗に動けない可能性が高くリスクが高いです。

 欲しいミニオンが1体しかいない場合は、普通にとるよりも休眠から入った方がよいです。なぜならば、余ったコインはいらないミニオンを買うよりもグレード上げに使った方が効率がいいからです。(マイクロマミーは例外です)

 最初の酒場に欲しいミニオンがいない場合も、欲しいミニオンがいて取った場合も、同様にその後1リロールします。リロールする前にグレード上げをしない理由としては、適当なグレード2のミニオンを休眠させるより、グレード1を回ってトリプルを見つけに行く方が優先なためです。まだ休眠していなければ適当なミニオンにヒロパを打ちます。その後、ペアになるミニオンもしくは非常にシナジーのあるミニオンが酒場に居なければグレード上げを検討します。もしいればとりましょう(トリプルの場合は先述したグレ上げ凍結の択もあります)。トークン系が一枚も取れていない場合は、6コイン目にヒロパが打ちづらくなるので少しグレ上げしにくいです。この段階でトリプルが確定している場合、なるべく高グレード発見をしたいのでグレードを上げたいです。(もちろんトークン系がない場合や酒場が強い場合は無理をしないことも考えられます)

 甲板などがたくさんあってグレ上げ1ピック+ヒロパまでできる場合は、テンポ的にかなり強力ですが、ペアが構えられない場合はリロールしたほうが良い場合も考えられます。

 

6コイン目 

 

 このターンは前のターンまでの動きによってとる動きが変わってきます。

 5コイン目にグレードを上げていた場合、このターンは2ピック(+ヒロパ)orグレード+ヒロパという動きになります。トークン系を取れていない場合は2ピックのみでヒロパが打てないという場合もあります。トリプルがこの段階で確定している場合は、7コイン目もグレード+ヒロパをすることを想定してグレード上げ+ヒロパという動きが強力です。他のヒーローは7コイン目まではあまり強くないことが多いため、ライフの損失が少ないうちにグレードをがんがん上げていき、8コイン目でグレ5発見をすることで構成の軸を見つける、もしくはグレード上げで失ったテンポを取り返すといった動きが強力です。また、単純に酒場に欲しいミニオンが全然いない場合なども、グレ上げの優先度が高まります。

 5コイン目にグレードを上げていない場合、このターンはグレード+ヒロパ+1ピックもしくは、グレード+ヒロパ+1リロール+1ピックになります。どちらを選択するかは、酒場が強力かどうか、コインの余り具合などによって判断することとなります。

 このターンにトリプルを見つけた場合、凍結を利用してトリプルを9コイン目まで遅らせることができます(このターンにヒロパを打つと8コイン目、次のターンにヒロパを打つと9コイン目にトリプルが作れます)。この動きは、ライフの損失は大きくなる可能性が高いですが、グレード6発見はかなりしやすくなります。残りの体力、盤面の強さ、酒場の横のミニオンの強さなどを総合的に考慮して決める必要があります。

 

 

7コイン目

 

 すでにグレード3に上げていて、このターンに休眠していたトリプルが取れる場合には、さらにグレード上げしてグレ5発見をするプレイが強力ですが、体力に不安があったりヒロパが打てなかったり酒場が強かったりした場合はグレ4発見でもよいでしょう。

 多くの場合はこのターンにグレード3に上げることになります。ヒロパの打ち先ですが、ペアは最優先で、ペアがいない場合は1金沸かすミニオン(ウレメンタルなど)、バフミニオンなどが優秀で、トリプルが確定している場合はカレクゴスの受け入れ先のドラゴンなども考えられます。

 もし体力に余裕があったり、対戦相手が弱かったり死体だったりする場合は、このターンにトリプルしたとしてもあえて出さないで、次のターンにグレ5発見をするという選択肢も考えられます。

 甲板磨きなどでグレードコストが下がっている場合、グレードを上げてからリロールをするのではなく、グレードを上げる前にリロールしたほうが良い場合が多いです。なぜなら、マイエヴが休眠を打ちたいのは単純に強力なミニオンよりかは、トリプル、もしくはダブルであるため、グレード2でリロールしたほうがトリプル、ダブルをそろえられる確率が上がるためです。

 

8コイン目

 

 グレード3にいる場合は、ほぼ100%グレードを上げます。盤面が埋まっていることが多いマイエヴにとってグレード3を回る価値はありません。(織屋育成していてグレード上げたら負けそうな時は一旦グレード3に滞在することも考えられます)

 すでにグレード4に上げている場合は、盤面が心元ないと思われるので、基本的にはグレード4を回って即戦力ミニオン(ハイメイン、メカーノエッグ、挑発がいる時のキラジの先遣者(挑発が死んだとき隣に+2+2)など )を取って盤面を整えていきます。このターントリプルできる場合はグレ6発見でテンポロスを取り戻せるのでグレードを上げます。

 

9コイン目

 

 前のターンにグレ4に上げている場合は、トリプルを取れていればグレ6発見でテンポロスを取り戻せるので上げます。トリプルがない場合は、直接グレード5に上げるのは戦闘でダメージを受けるリスクが高いので、対戦相手が弱い確信が持てる場合や、すでにトリプルできてこちらの盤面が非常に強力である場合以外は、トリプルを探したり盤面を整える意味合いで一旦グレード4を回ります。

 

10コイン目

 

 このターンにはもうすでに明暗が分かれていると思います。一旦グレ4を回った場合でも、トリプルが取れていてがんがん行けそうだと感じたらグレードを上げましょう。逆にここまでトリプルがとれていない場合や、トリプルをしても1トリプルしかできず発見がポンコツで未来がない場合などは引きが悪いので、上位は諦めて下位落ちを避けるプレイングに切り替えましょう。また、体力が10以下の場合もかなり危険なので、盤面がめちゃくちゃ強力でなければ慎重になる必要があります。

 10コイン目以降の動きについては割愛します。

 

・中盤以降のヒーローパワーの打ち先で優秀なミニオン

 ・コインを沸かす系ミニオン(ウレメンタル、博打打ち、入れ替え異常体など)

シンプルにコイン的にお得です。

 ・バフ系のミニオン(ミナジェリなど)

単純に1金で買うなら強力です。

 ・余った一枠に置くと強力系ミニオン(献身の英雄、グール、毒毒フィンなど)

終盤戦で役に立つミニオンを一金で買えるのは強力です。特に献身は他のヒーローよりもトリプルを狙いやすく相性がよいですね。 

 ・カドガー及び野良猫、タイドハンター

ドガーはヒロパで買えば一金なので、あまりリスクを取ることなくカドガーの準備をすることができます。トークン系ミニオンブランカドガーできなくても盤面が空いていれば2金になるので腐りづらいです。

 ・単純に戦闘能力の高いミニオン(グレ5シュレッダーなど)

 バフで空けていた一枠に置くなどの動きが強力です。

 

 これらのミニオンがいなかったとしても、最後に一金が余ったときには1リロールよりもヒロパを打った方が、凍結しなくて済む分コイン的にはお得です(凍結は実質1リロールを失っているので1金の損失)。一応マーロックであればなんでも毒毒フィンの受け入れになるので役に立つ可能性がありますし、今もっていない種族に打っておけばアマルガドンの適応の際に役に立つ可能性もあります。

 

・BANの影響についての考察

 以下はHSreplayの1/5日時点での上位5%のおけるマイエヴのデータをまとめ、BANごとの平均順位を出したものです。*2

 

BAN種族 平均順位 増減
ニュートラ 4.43 0.00
ドラゴン 4.54 +0.11
悪魔 4.50 +0.07
4.49 +0.06
エレメンタル 4.46 +0.03
メカ 4.38 -0.05
海賊 4.34 -0.09
マーロック 4.32 -0.11

 各BANについて私の意見を述べます。 最大でも0.1程度の誤差に収まっており、BANは大きくピックに影響を与えるとは言えませんが、同程度のヒーローが並んだ時の指標にはなりうるでしょう。一応このデータから最も最悪であることが予見されるドラゴン獣BAN及びドラゴン悪魔BANでは+0.2ほどあります。逆に最も良いであろうマーロック海賊BANでは-0.24となっています。

 ドラゴンはカレクゴスの有無がグレ6発見の強力さを規定して、ドラゴンBANの勝率が下がっていると思われます。

 悪魔は、データ上ではBANされていないほうがよいですが、個人的には体力を犠牲にしてグレ上げを先行しつつ大量トリプルするマイエヴにとって織屋は相性が悪く、グレ1のミニオン枠を3つも奪ってしまうのでかなりBANされて欲しいと思っています。

 獣は、余りに気にしていませんでしたが、以外とマイエヴにとって相性がいいのかもしれません。確かに終盤でもヒロパが役に立ちそうな感じはあります。

 エレメンタルは、グレ1ミニオンが強力なので少し上がるかと思いましたが、グレ6発見の当たりが減るなどの理由で控え目になっているのかもしれません。

 メカは、BANされているとグレ4で耐えるのが難しくなるので、上振れやすいマイエヴは有利だと思います。

  海賊は荒くれイライザへのアクセスしやすさや、博打打ちにヒロパを打つことで実質毎ターン2コイン沸かすことができる点などが勝率を上げていると思われます。

 マーロックについては、上位ヒーローは軒並み勝率が上がっているので、マーロックのタイドハンターが無くても強く動けるヒーローの勝率が上がっているのでしょうか。よくわかりません。

  BANについては、replayのデータはあくまで示唆的なものと考えたほうが良いと思います。(グローバルデータと正しいプレイが異なっている可能性が高いため)私のプレイスタイルではおそらく悪魔はBANされていた方が勝率が良いです。

・終わりに

  マイエヴは動き方にクセがあり、序盤の動きに関しては本当に択が多く難しいです。マイエヴをプレイするときは録画を取って、特に序盤の動きについて、もっとこうすればよかったのではないかという風に考えてみたら、少しは上達するのではないかと思います。この記事では動きについて全て伝えることは叶いませんが、プレイの引き出しを増やすことには多少は貢献できたと思います。この記事に書いてあることが必ずしも正解というわけではありません。批判的に検討して自分なりの正解を見つけていただければ幸いです。

 具体的なプレイについて見たいという方は、私のtwitchチャンネル(keromon__sumire - Twitch)のアーカイブなどでマイエヴを探していただければ、参考になるかと思います。

 長文ここまで読んでいただきありがとうございました。マイエヴは楽しいヒーローですのでぜひとも選んであげてください!

  

*1:1/5現在,上位5%におけるデータ

*2:ドラゴン悪魔BANだけなぜかデータが表示されなかったので、上位20%のデータを利用し、上位20%のニュートラルからの増減分を、上位5%のニュートラルに足しました。